ONELIFE #34 – Japanese

SMART BOATING 英 国

SMART BOATING 英 国 ポーツマスを 拠 点 にする ランドローバー BARの データ・チームは、 海 上 の パフォーマンスを 強 化 する ために 結 成 された 。 写 真 は かもしれないが、 気 づくにはかなりしっかり 見 なければならな ジム・ジョンストン( 左 )、 リチャード・ホップカーク い。 膨 大 なデータに 機 械 学 習 (つまりは 高 度 な 統 計 だ)を 組 み 合 わせると、そうしたパターンがはるかに 整 然 と 論 理 的 な 方 法 ( 左 下 ) 、マ ウ リ シ オ ・ ム ニョス( 右 下 )だ 。 で 見 つ け ら れ る 」と ホ ッ プ カ ー ク は 説 明 す る 。「 つ ま り 情 報 が な いところに 情 報 を 適 用 しようとすることなんだ。リアルタイムの データを 使 ってモニタリングして、 失 敗 の 原 因 を 特 定 し、より 大 きな 全 体 像 が 得 られるようにまとめるんだ」とムニョス。 入 出 力 を 最 大 化 してより 大 きな 全 体 像 を 得 るには、 解 析 の 対 象 を 1 回 のトレーニング・セッションの 間 にボートで 起 きること をはるかに 超 えるものにしなくてはならない。ムニョスはこう 説 明 する。「 毎 日 のパフォーマンスを 分 析 するという 従 来 の 手 法 の 先 を 見 ようとしているんだ。 今 日 のデータを 処 理 するだけ ではなく、 数 ヵ 月 前 のデータと 比 較 する。 時 間 とともに 見 られ る 傾 向 を 確 認 することで、より 情 報 に 基 づいた 意 思 決 定 プロセ スがボート 開 発 で 可 能 になるのを 期 待 しているんだ」。 だがそれは 言 うほど 簡 単 ではない。「セーリングについて 知 っ ておきたい 基 本 的 なことに、F1 と 違 って 問 題 がとても 曖 昧 だと め、こうしたわずかな 調 整 を 続 けること 「アメリカズカップに いうことがある。ボートの 性 能 は 日 によって 劇 的 に 変 わる 可 能 によってポーツマス・チームとバミュー 性 がある。たとえボートで 制 御 できる 変 数 がすべて 同 じでもね」。 まさに、こうした 変 数 のためにポーツマス・チームは 能 力 を 発 揮 し、 作 業 に 使 用 するアルゴリズムでますます 拡 大 する 解 析 のシナリオと 影 響 の 範 囲 をカバーしなければならないのだ。 海 上 に 吹 き 付 ける 10 ノットと 定 義 される 風 は、 実 際 には 7 〜 13 ノットと 幅 があり、 潮 流 は 変 わり 続 ける。そしてアメリカズカッ プクラス 艇 では 物 事 が 起 きるスピードは 速 い。そうした 条 件 と 勝 つための 戦 いは ビッグデータの 利 用 という 新 たな 領 域 に 入 っている」 ダ 諸 島 でトレーニング 中 のチームは 連 携 し、それぞれの 知 見 を 共 通 の 目 標 に 合 わせている。その 目 標 とはランドロー バー BAR のアメリカズカップクラス 艇 「 R 1」を で き る 限 り 競 争 相 手 よ り 進 ん だ ものに 最 適 化 することだ。 その 取 り 組 みは 比 較 的 若 いチームが レーシング・チームが 制 御 できる 変 数 ── 異 なる 水 中 翼 のス イッチをオフにするなど──を 組 み 合 わせると、さらに 複 雑 にな るだろう。 ジョンストンは 言 う。 「ボートの 部 品 を 修 正 ないし 変 更 したら、 その 変 化 の 影 響 を 理 解 してノイズを 取 り 除 こうとする。ボートの センサーから 生 成 される 情 報 だけを 豊 富 に 得 られれば 大 きな 違 いになるよ。 僕 たちが 設 計 した 機 械 学 習 法 は、この 情 報 の 沼 に フィルターをかけて、 変 わり 続 けている 要 素 を 見 つけてモニタリ ングできるようにするものなんだ」。ボートの 設 計 を 改 良 するた 進 めている。 何 十 年 もの 経 歴 を 持 つ 相 手 チームと 競 争 しながら。 それでもポーツマスのクルーは、ジャガー・ランドローバーが 車 の 設 計 と 研 究 から 学 んで 開 発 した 技 術 の 恩 恵 を 得 ることがで きている。このおかげで 習 得 が 加 速 し、 究 極 的 には 進 歩 につな がっている。 ジョンストンが 付 け 加 える。「データを 拡 大 するアルゴリズム を 理 解 して 開 発 できるエキスパート・チームを 作 れたのは、ジャ ガー・ランドローバーが 自 己 学 習 型 自 動 車 の 技 術 のためにデー タを 管 理 ・ 分 析 してきた 経 験 のおかげだった。これには 空 力 学 、 コントロール・システムや 当 然 ながら 機 械 学 習 力 などが 含 まれ、 そこに 僕 たちが 開 発 したワーク・ストリームを 組 み 合 わせたんだ」。 第 35 回 アメリカズカップ ホップカークは 言 う。「 僕 たちには 明 確 な 最 終 目 標 がある。バ 日 程 :5 月 26 日 〜6 月 27 日 ヨットの 規 格 :アメリカズカップ 艇 はす ミューダ 諸 島 ではすべてを 正 確 にする 必 要 があるんだ。ほかの チームが 何 に 注 力 しているかは 知 る 由 もないが、 性 能 データの 大 規 模 な 解 析 はヨット・レーシングの 世 界 で 初 めてかもしれな べ て「 ク ラ ス・ ル ー ル 」と 呼 ば れ る 規 定 に 場 所 :バミューダ 諸 島 従 わなければならない。 全 チームがこの 設 計 規 定 を 細 部 に 至 るまで 順 守 し、ア い。 僕 たちの 目 標 はこれがどれほど 効 果 的 かを 見 せていくこと だ。 新 しい 方 法 を 常 に 探 しているよ。とても 重 要 なデータをア チーム 数 :6 ( 防 衛 艇 1 チームと 挑 戦 艇 5 チーム) 前 回 優 勝 チーム:オラクル・チーム USA (スキッパー:ジミー・スピットヒル) メリカズカップのために 造 られた 独 自 の ヨットで 出 場 する。 ルゴリズムにフィードして 新 たな 知 見 を 生 むのに 活 用 するために ね」。「 勝 ってトロフィーを 持 ち 帰 ることがすべて」だと 言 うジョン ストンを 受 けて、ホップカークはこう 続 けた。「それが 僕 たちを 突 き 動 かしている 原 動 力 だけれど、 決 してそれがゴールではな い。この 大 会 の 間 に 集 めている 知 見 やデータは、 次 の 大 会 以 降 も 使 って い くよ 」。 44

SMART BOATING 3 0 0 チ ャ ン ネ ル ボートか らリアル タイムで 知 見 を 集 める 伝 送 路 の 数 175 ギガバイト シミュレーションごとに 集 められる 生 データの 量 写 真 : HARRY KENNEY-HERBERT (1) 45